新譜試聴室

2009年5月13日 (水)

ステファニア・ラヴァ「センド・イン・ザ・クラウンズ 」

ステファニア・ラヴァ「センド・イン・ザ・クラウンズ 」

Send

発売日 - 2009年3月18日
発売元 - ポニーキャニオン
品番 - PCCY-50056    収録時間  35 分

収録曲
1.  アワー・デイ・ウィル・カム       Our Day Will Come
2.  センド・イン・ザ・クラウンズ     Send In the Clowns   
3.  サマータイム                     Summertime
4.  ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー  When Sunny Gets Blue
5.  ジュビリー              .Jubilee
6.  ア・タイム・フォー・ラブ      A Time For Love
7.  アイヴ・ガット・ジャスト・アバウト・エヴリシング  .I've Got Just About Everything
8.  ザ・ワン・フー・ニーズ・ユー    .The One Who Needs You
9.  スピーク・ロウ       Speak Low
10.  サンバンドレア      Sambandrea

演奏
ステファニア・ラヴァ(VO) クラウディオ・フィリッピーニ(P)
マルセル・ディ・レオナード(DS) ダリオ・ロシリオーネ(CB)
ロベルト・ロッシ(TB) グイード・ピストッキ(TP)

いま、日本ではイタリア・ジャズの台頭が著しい。コンボではハイ・ファイブ・クインテットが大人気だし、レナート・セラーニ(p)らのベテラン、ボーカルではロバート・ガンバリーも大人気を博している。

そうした中で、また新たな魅力を持った新人が、イタリア・ジャズを紹介する日本発の新レ一ベル「ノーマ・ブル」から本邦デビューとなった。イタリア・ジャズ界の巨匠ピアニストであるレナート・セラーニに才能を認められたというステファニア・ラヴァである。

声の感じは、白人ジャズボーカルの大御所ダイアン・シューアを思わせる伸びやかさがある。

伴奏陣はイタリア勢で固めている。ほとんど知らない名前だが、極めてタイトでノリの良いクールな演奏を聴かせるところは、イタリアジャズ界のレベルの高さを伺わせる。特にピアノのクラウディオ・フィリッピーニは、かっちりと整った端正な演奏を聴かせており、今後が楽しみなピアニストだ。

収録曲はスタンダート曲中心だが、アレンジはクールかつコンテンポラリーで、ミディアム・テンポやアップテンポに演奏している。まさに21世紀のジャズである。

さらに、クラブ・ジャズのテイストも感じさせる。なるほど、「ノーマ・ブル」レーベルのプロデューサー、パウロ・スコソティという人はイタリアのクラブ・ジャズ界で活躍し、クラブ系のレーベル「デジャヴ」のオーナーでもあるというからなあ。
ステファニア・ラヴァもクラブ・シーンで歌っていたという。

タイトル曲の2は、スティーヴン・ソンドハイムの1973年作詞作曲でミュージカル「リトル・ナイト・ミュージック」の挿入歌。サラ・ボーンがカウント・ベイシー楽団と共に歌っている有名曲。

5、6、10はサンバ・フィールで演奏される。自然に足がリズムをとってしまうほどごきげんなグルーブだ。

最近のボーカル作品としてはかなりお薦めの作品である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月12日 (火)

ニッキ・パロット「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」

ニッキ・パロット「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
VHCD-1023 定価: 2,800円(税込) 発売日: 2009.03.18
発売元:ヴィーナスレコード
Niki001
(1) すてきなあなた
(2) アイ・ラブ・ザ・ウェイ・ユア・ブレイキン・マイ・ハート
(3) ドゥー・イット・アゲイン
(4) フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
(5) バラ色の人生
(6) ワルツィング・マチルダ
(7) アイ・ネバー・ハド・ア・チャンス
(8) イブル・ガル・ブルース
(9) フォー・オール・ウィ・ノウ
(10) シャレード
(11) 夏に消えた恋
(12) ゼム・ゼア・アイズ
(13) いつも二人で
演奏
マーク・スガンガ(g)、ハリー・アレン(ts)、
リサ・パロット(bs、ss)
ジョン・ディ・マルティーノ(pf) ビリー・ドラモンド(ds)

いや~、女性ジャズ・ボーカル界にもユニークな歌手が現れたものだ。

オーストラリア出身の白人ボーカリスト ニッキ・パロット。本邦では2枚目となる「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を聴いてみた。この人の売りのひとつはベースの弾き歌いだ。

ベースの弾き歌いといえば、日本では「はなわ」だが、ニッキ・パロットはウッド・ベースの腕も確かなようだ。

CDジャケットにはグラマラスな姿でソファに寝そべるニッキの姿が。それに、前作「ムーン・リバー」のジャケットではベースを抱いているニッキの写真もある。ああ!彼女のベースになりたい!? 
Niki002
しかし、ライブではどのように弾き歌いしているのだろう。You Tubeに投稿されている動画を視てみた。

http://www.youtube.com/watch?v=bNp-wmRzsD4

動くニッキを視ると、ますます魅力を感じるなあ。

さて、彼女の容姿やベース弾き歌いのパフォーマンスも、エンターティナーとしては大事な評価要素であるが、純粋にジャズ歌手としての声質や歌唱力での評価となると、どうか。

彼女は歌唱は、本格的なジャズ・ボーカルとは言うのには少しつらいものがある。白人のロバータ・ガンバリーニのような本格派の歌唱とはまた違う。いわんや黒人ボーカリストとは別ジャンルだ。いまトレンドのジャジー・ノット・ジャズの範疇に近いかも知れない。ただ、マデリン・ペルーやノラ・ジョーンズなどよりはずっとジャズよりのスタンスだといえる。

ただ、ラーメンも濃厚なこってり系ばかりでなく、あっさり系も食べたくなるし、いろいろなテイストのボーカルを味わうことがあっていいのだろうと思う。

ちなみに、彼女は「スウィング・ジャーナル」誌の2008年度最優秀海外ヴォーカル賞も受賞している。(同賞は外にシェリル・ベンティーン「ソングズ・オブ・アワ・タイム」も受賞)

ニッキの姉リサも女性には希なバリトン・サックスを吹き、本作でも妹の演奏に華を添えている。ゲストのハリー・アレンのテナー・サックスにも負けていない。

ピアノはSERGIOが大好きなロマンチック・ジャズ・トリオのリーダー ジョン・ディ・マルディーノ。この人は歌伴となると、とろとろにとろけるような甘く切ないピアノを弾く。ドラムスは名手ビリー・ドラモンド。

スタンダード曲中心の選曲も良い。6「ワルティング・マチルダ」はオーストラリアの国民歌。

まったく恐るべし姉妹が現れたものだ。それに、オーストラリアJAZZもなかなかやるなあ。

なお、本作は「スイングジャーナル」誌4月号ゴールドディスク選定盤にもなっている。。

<script type="text/javascript" class="wysiwyg-script"></script>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月11日 (月)

ミシェル・カミロ/イタリー1997

ミシェル・カミロ/イタリー1997

Pic112

  1997年、イタリアのペルージャにおけるミシェル・カミロ トリオのライブがDVDとして発売された。発売はメガ・ヴィジョンから。

  画質・音質は最近のDVDと比べると時代的なものがあり、我慢するしかないが、演奏は最高。特に、1997年頃の映像はほとんどないらしいから貴重だ。

   1曲目はUnknownとあるが、カミロの代表曲トンボ イン 4/7(作曲はアイルト・モレイラ)である。収録は名盤「Suntan 」

   レコードでもこれでもかというほど素晴らしいフレーズが繰り出されるが、ライブでもまた別の味わいで聴ける。ホントに枯れることがない創造の泉。

   スタジオ録音のアンソニー・ジャクソン(b)、ディヴ・ウェッケル(ds)の代わりに、本ライブでは名手ジェイムス・ジナス(b)、マーク・ウォーカー(ds)がサポート。ドラムスはよく知らないがカミロのチョイスはさすが、カミロの超高速フレーズにしっかりついてきている。

   2もカミロの名盤「Thru My Eyes」からホーレス・シルバー作の名曲。

 
   3もソニー・ロリンズ作のジャズ・スタンダードといってもカリプソ風。「Thru My Eyes」にも入っていた。

  4のラテン・スタンダード、ボレロからはチューチョ・バルデスが登場。ピアノ2台でカミロとコラボというか超絶技巧を競い合う。

  5も引き続きカミロとチューチョの共演。

  6は邦題「南京豆売り」。キューバン・ソンの名曲。
いやはや、二人が奏でるピアノ音の大洪水におぼれそうだった。

  ラストは、「カリベ」。もの悲しいソロのインタールードから、怒濤のトリオ演奏に突入する。

  6弦エレキ・ベースのジナスは高音部を使い絶妙のソロを奏でている。しかし、その音があまり拾えていないのが残念だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 2日 (火)

リターン・トゥ・フォエバー SAN SEBASTIAN 2008

   70年代後半に一世を風靡したリターン・トゥ・フォエバーが第2期のオリジナル・メンバーで再結成された。ブートでは、早くもそのライブDVDSAN SEBASTIAN 2008が発売されている(メガ・ヴィジョンから)。

 オーディエンス録音だが、ライブの全貌を捉えた3枚組CDも発売された。
とりあえず紹介しておく。
 JAZZ界の大御所となった4人。30数年の時を超えて、まさにタイムレスそのものの演奏となっている。

リターン・トゥ・フォエバー  SAN SEBASTIAN 2008

SAN SEBASTIAN 2008(1DVDR) 2,800円(税込 2,940円)

LIVE AT SAN SEBASTIAN, SPAIN 07/25/2008

【演奏者】
CHICK COREA(keyb), STANLEY CLARK(b), AL DiMEOLA(g), LENNY WHITE(dr)

【曲目】
1.INTRODUCTION
2.VULCAN WORLDS
3.THE SORCERESS
4.AL DiMEOLA SOLO
5.CHICK COREA SOLO
6.THE ROMANTIC WARRIOR
7.STANLEY CLARK SOLO
8.DUEL OG THE JESTER AND THE TYRANT
9.ENDING
TOTAL 80min 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月30日 (日)

ミシェル・カミロ トリオ/BURGHAUSEN 2008

 ミシェル・カミロ トリオの「スペイン2007」の興奮冷めやらぬまま、ドイツのBURGHAUSEN(日本語表記わからず)というところで開催されたフェスティバルのライブDVDを視た。

1.FROM WITHIN
2.MY SECRET PLACE
3.SPIRIT OF THE MOMENT
4.REPERCUSSIONS
5.A PLACE IN TIME
6.GIANT STEPS
7.AND SAMMY WALKED IN
8.A NIGHT IN TUNISIA
9.CON ALMA

TOTAL 1時間23分

MICHEL CAMILO(p)
CHARLES FLORES(b)
DEFNIS PRIETO(dr)

 こちらも、お馴染みのナンバー「フロム・ウィズ・イン」からスタート。清冽なピアノ・ソロから始まって、テーマに入ると怒濤の演奏に圧倒される。また、背筋に電流が走るような衝撃だ。ジャズのヘビー・リスナーであるSERGIOでも、こんな演奏にはなかなか遭遇しない。

  箱は大きなコンサート・ホールのようなところ。ピアノはベーゼンドルファー。扱いにくいといわれるこの楽器を、まさしくピアノからフォルテまで鳴らしきってしまう。おそらくこのベーゼンにとって、カミロが一番大きな音を出した奏者ではないのか。ピアノの最大性能を発揮してもらえる演奏者に弾いてもらって、ベーゼンも大満足だろう。

  「フロム・ウィズ・イン」のベスト演奏は映画「CALLE(カジェ) 54」に記録されたアンソニー・ジャクソン(b)とオラシオ・"エル・ネグロ"・エルナンデス(ds)だろう。

  カミロのソロが終わって、アンソニー・ジャクソンの6弦ベースのブレイクが超絶技巧のフレーズで聴きどころなのであるが、今回、CHARLES FLORES(b)がアコースティック・ベースで、そのブレイクをどのように処理するか、興味津々だったが、アコベのリフもなかなかだった。
 
 DEFNIS PRIETO(dr) もオラシオのような野性味はないが、ラテン・ドラミングの百貨店のような演奏は、今後が楽しみだ。

  本作は、カミロの最新作「SPIRIT OF THE MOMENT」所収のオリジナル曲他、カミロ作のお馴染みの名曲。それに「ナイト・イン・チェニジア」「ジャイアント・ステップス」「コン・アルマ」とスタンダード曲もカミロ節で聴かせる。

  どの曲も超が三つくらい付けないと表現しきれない超絶テクニックで演奏される。

それを高音質、高画質で収録しているのだから最高だ。

  SERGIO的には、「スペイン2007」と共に2008年度の最優秀DVDだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月28日 (金)

ミシェル・カミロ トリオ/スペイン2007

 昨夜、寝具を買いに、初めて「ファッション・センターしまむら」に入った。目当ての物はなかったが、BGMに気怠いボサノバがかかっていたのにはちょっとびっくりした。ちょうど、車中でセルジオ・メンデスの60年代前半のボサノバを聴いていたので、その続きのようにものだ。

 今日も、寝具を探しに西武に行ってみた。そしたら、本屋でミルトン・ナシメントの大名曲「ブリッジ」が流れていた。これもいいなあ。

 結局、寝具はジャスコで買った。夕食に回転寿司「すしおんど」に立ち寄ったら、ここもBGMはボサノバだ。ワルター・ワンダレーの特徴あるキラキラしたオルガン・プレイや、ジョアン・ドナートの「ミーニャ・サウダーヂ」が聴けた。癒されるなあ。

 帰宅後、サイバーシーカーズに注文していたブートDVD、CDが届いた。今回は待ちくたびれたぞ。

 なんといっても、今回のお楽しみは、ミシェル・カミロのライブDVDだ。

ミシェル・カミロ トリオ/スペイン2007
LIVE AT VILLALBA, SPAIN 07/12/2007

【演奏者】
MICHEL CAMILO(p), CHARLES FLORES(b), DAFNIS PRIETO(dr)

【曲目】
1.JUST NOW
2.SPIRITS OF THE MOMENT
3.REPERCUSSIONS
4.MY SECRET PLACE
5.SEE YOU LATER
6.TWO OF A KIND
7.GIANT STEPS
8.A PLACE IN TIME
9.HURRY UP AND WAIT
10.LIQUID CRYSTAL
11.CARIBE
12.TEQUILA

 1曲目の最初の音から、すでに背筋がぞくぞくする圧倒的な演奏。良すぎる!!

   カミロのピアノプレイの特色。音が立っている。もの凄い切れ味の鋭さ。女性には悪いけれど、絶対に女性には無理なタッチだ。だけど、マッチョが全面に出ていない。凄く洗練されている。

   SERGIO目線ではピアニストはハンコックがダントツ1位だが、プレイの面では本作のカミロはハンコックをもしのぐかもしれない。
 
   サイドメンのチョイスもカミロの炯眼には恐れ入る。CHARLES FLORES(b)はウッドだが、カミロの高速プレイになんとユニゾンしている!。なんという超絶テクニックだ。

   DAFNIS PRIETO(dr)もラテンの小技を豊富に繰り出していて、沢山引き出しがありそうだ。超弩級のパワフルなプレイもやれば、カミロと共に、精霊が舞い降りたかのような深遠な曲では、繊細なブラシ・テクニックもみせる。
 
    まさに三人のインタープレイ満載のDVDだ。

本作のような素晴らしい作品がブートでしか世に出ない音楽界の現状はどうなっているのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月25日 (金)

ローマ・トリオ/チャオ・チャオ・バンビーナ

ローマ・トリオの新譜「チャオ・チャオ・バンビーナ」を聴いた。最近聴いたピアノ・トリオ作品の中では上位に上げたい作品だった。イタリア・ジャズ界恐るべしだ。

レーベルはヴィーナス・レコード。
ヴィーナスは、同時期にレナート・セラーニ(p)トリオの新譜「マイ・フーリッシュ・ハート」も出している。

ヴィーナスお馴染みとなった女神のCDジャケット。昔だったら発禁物だ。今でもR12指定でもおかしくないエロチックさ。

ジャケではレナート・セラーニに軍配が上がるが、音ではローマ・トリオだな。

ローマ・トリオ
ルカ・マヌッツア(p)
ジャンルカ・レンツイ(b)
ニコラ・アンジェルツチ(ds)
発売日:2008年03月21日
カタログNO:VHCD-01002
ヴィーナス・レコード
価格:¥2,800(税込)

収録曲
1. オール・オブ・ユー
2. ソラー
3. アマルシ・ウン・ポ
4. アンチェ・ウン・ウオモ
5. ムーン・アンド・サンド
6. ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス
7. 帰れソレントへ
8. マラマオ
9. チャオ・チャオ・バンビーナ
10. ザッツ・オール
11. チェレスティーナのワルツ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 9日 (日)

ゴンサロ・ルバルカバ「化身/アバター」

 我が師匠モヒカーノ関とゴンサロについて話しているとき、ピアノの演奏者としてゴンサロは、師匠の師匠ミシェル・カミロより上かもしれないと言っていた。確かに、その強靱なピアノ・プレイは本作でも全編にわたって聴かれるところだ。

 一方、師匠はカミロの作品について親しみやすいメロディアスなテーマとポップな音作りを指摘し、この点が作品作りで大事だ、と言われている。確かに、カミロの作品が支持されている点は、驚異的な超絶テクニックと共にテーマやソロの明快さ、親しみさが上げられるだろう。これは、ハービー・ハンコックの演奏にしても同様だ。
 
  そういう観点からみていくと、本作に限らずゴンサロの諸作品は、少々とっつきにくいところが少なからずある。カミロの作品はジャズ初心者にも薦められるが、ゴンサロの作品はちときつい。天才の宿命かもしれないが。

 本作にしても、ラテンジャズの作品ではない。いわば音楽の坩堝ニューヨークが生み出した現代の最先端ジャズと言っておこう。

 実はSERGIOも評価は迷う。演奏内容が凄いことはわかる。一聴しただけでは、本作の評価は下せない。
 少なくてもジャズ初心者にはお薦めできないなあ。
 
 モヒカーノ関師匠の意見も聴いてみたい作品。

【曲目】
1 ルッキング・イン・レトロスぺクテイヴ
2 ジス・イズ・イット
3 アスピリング・トウ・ノーマルシー
4 ピース 
5 ヒップ・サイド
6 インフアンテイル(ジョン・マクラフリンに捧ぐ)
7 プレルデイオ・コルトNo.2フォー・ピアノ(あなたの愛は偽りだっ  た)

ゴンサロ・ルバルカバ(P,key)、
マイク・ロドリゲス(tp,flh)、ヨスヴァニー・テリー(as,ss)、
マット・ブルーワー(b)、マーカス・ギルモア(ds)
●2007年5月29日~6月l日録音 プルーノート

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 7日 (金)

トム・スコット/キヤノン・リローデッド~キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート

  今日も終日、忙しかった。貧乏暇なしとはこのことだ。

 朝一番に関係者に報告数件。午前10時からスタッフと共に車で30程の事業所に向かい、懸案事項について交渉。合意は得られなかったが、全くだめではなく再検討の余地有り、やや安堵。スタッフはがっかれしていたが、今月中には了解とりつけられるだろうとやや楽観している。

 帰ってから昼休み返上で、午後1時30分からの会議提出資料の最終調整。
もっとも、昼休みだから、しっかり音楽を聴きながらだけれども。

♪トム・スコット/キヤノン・リローデッド~キャノンボール・アダレイ・オールスター・トリビュート

¥2500円 2008年1月30日発売

【 曲 目 】
①ジャイブ・サンバ
②ワーク・ソング
③マーシー・マーシー・マーシー
④セイブ・ユア・ラブ・フォー・ミー
⑤サック・オー・ウオー
⑥カントリー・ブリーチャー(カインサイド・ストレート)
⑧アイ・シュッド・ケア
⑨ザ・マスカレード・イズ・オーバー
⑩アラバマに星落ちて

 コンテンポラリーなアルトサックス奏者トム・スコットが豪華な共演者と共に送るキャノンボール・アダレイ(as)へのトリビュート作品。キャノンボールゆかりの名曲をコンテンポラリーなアレンジで演奏する、まさに現代のジャス。聴きやすく、ファンキーで、ポップで、ノリノリで、演奏水準は高いし、なかなかの作品だ。

 オールスターのメンバーたるや、これも現代ジャズの代表格ばかり。

テレンス・ブランチヤード(tp)
ジョージ・デューク(p,Rhodes,Wditzer)、
ラリー・ゴールディングス(organ)
マーカス・ミラー,デイブ・カーペンター(b)
スティーブ・ガッド(ds)
ナンシー・ウイルソン(vo)

 これだけの面子が揃うと、リーダー トム・スコットのアルトプレイが霞みそう。
ウィントン・マルサリスと共に80年代新主流の旗手の一人だったブランチヤードも、コンテンポラリーな演奏に挑み、ソロではさすがの印象的なフレーズを聴かせる。

 鍵盤好きの方にとっての聞き物は、故キャノンボールのサイドメンであった名手ジョージ・デュークのプレイだろう。なつかしのキラキラのローズ・サウンドや、ウーリッツアなどのビンテージ・エレピ・サウンドを再現している。もちろん、生ピも良い。

 ドラムスの大御所ガッドは、本作では全編にわたってブラシ・ワークでプレイする。
 そして、ひさしぶりに聴くボーカル女王ナンシー・ウイルソン。4と8でこれぞジャズ・ボーカルというべき歌唱を披露。もっと聴きたい!
 まさに、聴きどころいっぱいの快作だ。

  さて、午後からは1時30分からの会議に出席。午後4時会議終了後、出席者の一部と協議。その後、上司への報告数件。対外への電話連絡数件。スタッフからの報告・復命を数件聞き。午後6時30分に外のファミレスで夕食。事務所に帰ってから、溜まった決裁文書に目を通す。ただ、はんこを押すだけだったら簡単なのだが、そうもいかない。

  昨日悩まされた新聞記者の取材も今日はなく安堵。

  帰宅は午後10時半。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 4日 (火)

デイ・トリップ~バット・メセニー・ウイズ・クリスチャン・マクブライド&アントニオ・サンチェス

 通勤の車中で、パット・メセニー・トリオの3年ぶりの新作「デイ・トリップ」を聴く。

  昨年からブラッド・メルドー(p)との意欲的なコラボレート作品などで、そのワン&オンリーなギタープレイの存在感をしめしてきたメセニーだが、本作では、クリスチャン・マクブライド(b)、アントニオ・サンチェス(ds)という最強のリズムを得て、またもや快作を世に出した。

 マクブライドは本作ではアコーステッィク・ベースを弾いている。バッキングもいいが、ソロになると驚異的なテクニックをみせつけられて、開いた口がふさがらなくなる。

収録曲

①サン・オブ・サーティーン

②アットラストユーアー・ビア

③レッツ・ムーブ 

④スノーバ

⑤カルパンズ・キー 

⑥イズ・デイス・アメリカ

【⑦ニュー・アップ】

⑧ホエン・ウイー・ワー・フリー

⑨ドリーミング・トウリーズ

⑩ザ・レッド・ワン

⑪デイ・トリップ

ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-1320 2008年2月6日発売

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月16日 (水)

キース・ジャレットの新作「マイ・フーリッシュ・ハート~ライブ・イン・モントリオール」

 マイルス・スクール「ピアノ科」出身の三人の巨匠のうち、ハービー・ハンコック、チック・コリアは昨年、新作を発表した。キース・ジャレットはどうしているのかと思ったら、日本では10月になって、スタンダーズの2001年、モントリオール・ジャズ・フェティバルのライブを発表した。

 この作品、なかなか聴く機会がなかったが、今日は移動の車中で聴いてみた。だいたい、スタンダーズ・トリオの演奏には外れはない。だから、どれも同じだろうと最近、たかをくくっていたのだ。しかし、演奏を聴き進めるにつれ、ピアノ・トリオの最高峰の演奏にただただひれ伏すのみであった。


Discl
①フォア
②マイ・フーリッシュ・ハート
③オレオ
④ホワッツ・ニュー
⑤ソング・イズ・ユー 
⑥エイントミスビへイブン(浮気はやめた)

Disc2
 ①ハニーサックル・ローズ
 ②ユー・トウツク・アドバンテージ・オブ・ミー
 ③ストレートノー・チェイサー
 ④ファイブ・ブラザーズ
 ⑤ゲス・アイル・ハング・マイ・ティアーズ・アウトトウ・ドライ
 ⑥オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
 ⑦オンリー・ザ・ロンリー

●キース・ジャレット(p) ゲイリー・ピーコック(p) ジャック・デジョネット(ds)
2001年7月22日〈モントルー・ジャズ・フェスティバル≫で実況録音

 スタンダード曲を原曲の良さを限りなく引き出しながら、スタンダーズ・トリオ独自のトリオ・ミュージックを作り上げる、キース、ディジョネット、ピーコックら三人の濃密なインプロヴィゼーション。

 そして、キースが紡ぎ出す歌心溢れる即興のソロ・フレーズ。原曲のメロディに勝るとも劣らない。ただのフレーズの垂れ流しではなく、饒舌過ぎることもなく、全く一音の無駄もないのだ。凄くテンションが高い高度な演奏をしているのに、それを感じさせず、癒しを与えてくれる素晴らしい演奏だ。

 皇太子妃雅子様もキースのファンで、ご成婚前に取材陣に撮影された車内にはスタンダーズのカセット・テープがあった。また、来日公演には、ご夫妻でご来臨もしている。まさに、スタンダーズの演奏は、皇室に聴かせても、何ら問題ない上品かつ気品のある演奏だ。

 だから、ジャズ初心者に聴かせるのにはもってこいだ。かといって、静かに演奏しているわけではない。ディジョネットの繊細でありながらアグレッシブなシンバル・レガートの激しさはどうだ。


 ちなみに、ディジョネットはマイルス・スクール「ドラム科」出身。ピーコックも短期間だがマイルス・スクール「ベース科」に在籍したことがある。こんな凄い弟子たちを何十人も育てたマイルス校長の偉大さに改めて感服。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月12日 (木)

大隅寿男/ニュー・ディール

大隅寿男/ニュー・ディール
①マイルストーン
②ネイチャー・ボーイ
③マンテカ
④愛のプレリュード 
⑤ウエル・ユー・ニードント
⑥テンプテーション
⑦ビア・ゼア・アンド・エプブホエア
⑧ブルース・イン・ザ・クローゼット
⑨ミッド・ナイトサン・ウイル・ネバーセット
⑩ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス
⑪明日に架ける橋

●大隅寿男(ds)太田剣(①⑤⑥as)近藤和彦(①⑤⑨as)納谷嘉彦(②③⑦⑧⑩⑪p)
秋田憤治(④~⑥⑨.p)井上陽介(③⑦⑧⑲⑪:b))
安力川大樹(①⑤~b) 
2007年2月5,6日東京で録音
●エムアンドアイカンパニー 2007年5月16日発売

 ベテラン・ドラマー大隅寿男さんの最新作。ピアノ・トリオの演奏あり、アルト・サックスを入れたカルテットやクインテット演奏ありの快作だ。

 ピアノは納谷嘉彦さん、秋田憤治さん、ベースも井上陽介さん、安力川大樹さんと売れっ子をそれぞれ使い分け、そこに曲によっては今をときめくアルトの太田剣さん、近藤和彦さんを加えている。①と⑤では二人のアルト・バトルも聴かれる。

 曲はおなじみのスタンダート曲にくわえ、④⑦⑪などのポップス有名曲も並び、アレンジも奇をてらったものはなく、ジャズの王道を行く作品に仕上がっている。初心者にも聴きやすいであろう。

 マイルス・デイビス作の①では生きのいい二人のアルト演奏を共に楽しむと同時に、あらためて名曲だなあと実感した。すなわち、モード・ジャズの代表曲であるこの曲のモチーフの上で、演奏者がそれぞれの持ち味を出し切って、クリエイティブなソロを心ゆくまで展開することができるからだ。

 スタンダード曲⑩のアレンジもスリリングでイントロからエンディングまで息もつかせぬテンションの高い演奏だ。

 ポール・サイモンの⑪も原曲のムードを生かした実に雰囲気ある良い演奏だ。
 
 まさに、日本ジャズの精鋭を集めて一挙に紹介した感がある作品。
 
 大隅寿男さんの演奏を聴いたのは8年くらい前に地元のライブハウスで一度だけあった。SERGIOの初代のピアノの師匠が大隅さんのファンで、一緒に聴きに行ったのである。その時は、中本マリさんのバックをつとめていた。

 ライブがはねた後挨拶に行くと、ダブルのスーツをびしっと着こなし、これこそダンディな大人の見本という風情だったことを思い出す。ジャケット写真に写る大隅さんのはその当時と変わらずいい風貌をされている。

 SERGIOの出身校の先輩筋にも当たる方なのだ。ジャズ研で宇崎竜童氏と同窓で、最近、JAZZ誌で対談された記事も読んだことがあったなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月13日 (水)

バンボレオ /ミ・ベルダ

バンボレオ /ミ・ベルダ

MI VERDAD/BAMBLEO
CRACD-188

1.オープニング OPENING
2.君のせいだ LACuLRA
3.トド・口・ボニート TODOLOBONJTO
4.フィーバー FIEBRE
5.インフイ工ル TEFUl間円EL
6.クリスタルな夢 SUE内ODECRISTAL
7.工ル・マイース ELMAは
8.7モール・ロコ AMORLOCO
9.ミ・ベルダ(私の真実の愛)MIVERDAD
lO.アトレビミエント ATREVIMIENTO

 キューバン・サルサのトップ・グループ「バンボレオ」の最新作。
村上龍氏が新しい女性ボーカル・タニア・パントーハを高く評価しているらしい。前任のボーカリスト、ハイラ・モンピエのようなエッジが効いた歌声ではないが、確かにトップグループの看板だけのボイスを持っている。「ベルベット・ボイス」と称されている。他に男性ボーカルも加入した。
 リーダーのピアノも複雑なモントゥーノ・パターンを難なくこなし、ノリノリのティンバ・サウンド満載の作品。

SERGIOのミーニャ・サウダーヂ 音楽日記
http://jazz-latin-brazil.cocolog-nifty.com/music/

CASA SERGIO ジャズ、ラテン、ブラジル音楽の館
http://homepage2.nifty.com/SERGIO/


| | コメント (0) | トラックバック (0)

マンボラマ/ ディラクタメンテ・アル・マンボ

マンボラマ/ ディラクタメンテ・アル・マンボ
Mamborama  Directamente al Mambo
品番 UM084
enre キューバンサルサ、ティンバ、ラテンジャズ
2006年 (輸入盤/Ahi-Nama) Price \2,200-(税込み)

【収録曲】

01.Mi Bailarina
02.Puro Y Temba
03.Las Cubanas, Que Lindas Son
04.La Mentirosa
05.Taca Toco
06.Senorita Pajarita
07.No Mereces La Pena 
08.Directamente Al Mambo
09.Baila Conmigo
10.Yo Con Mi Jolongo
11.Ave Maria, Por Dios

 キューバンサルサのトップグループのひとつマンボラマの最新作かつサード・アルバム。このグループは、ティンバ、マンボ、ラテンジャズの要素もあり、各プレイヤーの高い演奏力には定評がある。

 リーダーのピアニスト、ビル・ウォルファーは、「スリラー」をリリースしていた頃のマイケル・ジャクソンとアルバムやツアーで共演していたそうだ。

 リード・ボーカルにはロス・バン・バンのロベルトン、NGラ・バンダのトニー・カラ、クバニートなど超豪華メンバーを向かえ、快調にダンサバルに飛ばしているごきげんな作品。

SERGIOのミーニャ・サウダーヂ 音楽日記
http://jazz-latin-brazil.cocolog-nifty.com/music/

CASA SERGIO ジャズ、ラテン、ブラジル音楽の館
http://homepage2.nifty.com/SERGIO/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月11日 (月)

スティーブ・キューン・トリオ/プレイズ・スタンダーズ

スティーブ・キューン・トリオ/プレイズ・スタンダーズ

1.アローン・トウゲザー
2.ゴールデン・イヤリングス
3.アイ・ウイツシュ・アイ・ニュー
4・レフト・アローン
5.プルー・ボッサ
6.ネイチャー・ボ-イ
7.朝日のようにさわやかに
8.ユー・リーブ・ミー・ブレスレス
9.オーシャンズ・イン・ザ・スカイ
10.アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォア・ミー
11.ラブ.・レターズ
12.ビューティフル・ラブ

スティーブ・キューン SteveKuhn≪pian。≫
バスター・ウイリアムスBusterWilliams《bass≫
アル・フォスター   AIFoster ≪drums≫
録音:2006年8月30、31日 ザ・スタジオ、ニューヨーク

 愛犬との夜の散歩に、今年70歳になるベテラン・ピアニスト スティーブ・キューンの新作を聴く。最近の新作の中で良く聴くお気に入りの一枚。

 ベースにハンコックとも共演するバスター・ウイリアムス、ドラムスに電化時代のマイルスを支えたアル・フォスターといった名手を従えたトリオ作品。

 出来映えはまさに職人芸。耳たこスタンダードを新鮮に蘇らせて聴かせてくれる。メロディ・フェイクのセンスが良い。フレーズの引き出しも沢山あり、全く飽きさせない。

 「そこは、こうくるか」「あれ、そんなになっちゃうの」という驚きに満ちた演奏。ハーモニーのセンスもすごい。ジャズ本来のおしゃれな演奏。やっぱりベテランは侮れないということを再確認させられるSERGIOイチオシの作品だ。

 どの曲もいいが、2が特に好き。

SERGIOのミーニャ・サウダーヂ 音楽日記
http://jazz-latin-brazil.cocolog-nifty.com/music/

CASA SERGIO ジャズ、ラテン、ブラジル音楽の館
http://homepage2.nifty.com/SERGIO/


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年2月10日 (土)

石野見幸/Current

♪不屈のジャズ・ボーカリスト石野美幸さん

 2月3日、モヒカーノ師匠の講義を終えた後、アキバのヨドバシ内のタワー・レコードに行く。

Mpcd3525

 地元のISHIMARUソフト館ではなかった石野美幸さんの「current」を探したら、ありました。ただし、1枚だけ。タワー・レコードさん、ちゃんと補充しておいてね。

帰宅後、これを聴きながらブログを書いている。

石野見幸/Current


2006年12月25日発売
MPCD-3525
標準価格 2,500円
MICOPRO

--------------------------------------------------------
収録曲

1.I've Seen That Face Before(LIBERTANGO)
2.I'm a Fool to Want You
3.Goodby!Goodby!
4.粋な別れ
5.Coracao Vagabundo
6.Forgotten Doll(人形の家)
7.You've Got A Friend
8.Teach Me Tonight
9.LOVE

--------------------------------------------------------

パーソナル
大石学(p)、鷲見和広(b)、海野俊介(ds)、シーナきのはら(vil)
河田健(ts) tracs2、3
鈴木史昭(ts)tracs8
--------------------------------------------------------
 石野美幸さんは末期ガンで余命1ケ月を宣告されながら、ジャズへの情熱を武器に病魔と闘い続けているジャズ・ボーカリスト。昨年12月には、壮絶な闘病生活の中でディナー・ショウを成功させた様子がTVで放映された。彼女のブログを読むと、1月19日付けのコメントを最後に、その後のコメントの記入はなく心配だ。再びステージで熱唱できるよう祈りたい。(と書いた後に、2月4日付けで彼女のコメントがブログに書き込まれた。本当に良かった)
 

 本作は、そうした闘病の最中、吹き込まれたもの。サポート・メンバーは関西のジャズメンが中心だが、日本におけるブラジリアン・ジャズの名門「スピック&スパン」のメンバーであった大石学さんがピアノと編曲で参加している。

 石野さんは、ジャズボーカルの大御所伊藤君子さんに師事したという。
歌謡曲の名曲。ジャズ・スタンダード、MPB、ポップスを織り込み、洒落たアレンジと歌唱で聴かせる。

 決してベストな体調ではない中での吹き込みであったと思われるが、それを感じさせない気迫に満ちた歌唱である。命を削るようにして吹き込まれた全9曲。石野さんの覚悟とメッセージは聴く者の心を揺さぶらずにはおかないだろう。
 

 選曲のセンスも光る。
ちなみに、①②⑤⑦はSERGIOも世界名曲50選の中に入れたい曲だ。

 1曲目 タンゴの巨匠アストラ・ピアソラの名曲「リベルタンゴ」。SERGIOも大好きな曲。オリジナルはバンドネオンの演奏なので、器楽曲として演奏されることが多いこの曲。かっては、チェロのヨー・ヨー・マが演奏しCMでも使用された。最近では、寺井尚子さんがヴァイオリンで演奏している(「リベルタンゴ」)。ボーカルで唄うのは珍しい。

 石野さんが力強く歌い上げた後、大石さんのテンションの効いたピアノ・ソロ、シーナきのはらさんのダナミックなヴァイオリン・ソロと続く。

 2曲目 ビリー・ホリディやフランク・シナタラの名唱で知られる「I'm a Fool to Want You」。誰でも、愛しい人のことを狂おしく思い焦がれた日々がある。こうした心情を、石野さんはしみじみと歌い上げる。彼女の現在の境遇が心配なだけに胸に迫る。

 3曲目 .Goodby!Goodby!
ジャズ・スタンダードをコケティッシュに歌う。

 4曲目 浜口庫之助作詞作曲の「粋な別れ」。石原裕次郎のヒット曲。当然、日本語歌詞の曲。SERGIOは始めて聴いた曲だが、歌詞、メロディとも切々とした心情を表したいい曲だ。これを見つけてきた選曲のセンスは素晴らしい。石野さんは「生命に終わりがある 恋に終わりがくる」「泣かないで 泣かないで 粋な別れをしようぜ゛」と唄う。切な過ぎる。「粋な別れ」はしたくないなあ。

 5曲目ブラジルのMPBのカリスマ カエターノ・ヴェローゾの「コラソン・ヴァガブンド(移り気な心)」。石野さんはMPBアーチストも好きなようだ。カエターノがワン・アンド・オンリーのスタイルで歌うこの曲。他のボーカリストにとっては、難曲であろうと思うが、彼女はシャンソンのように小粋に唄っている。鍵盤ハーモニカかアコーデオン(或いはシンセ音色)のソロが良い。 

 6曲目 「Forgotten Doll(人形の家)」も歌謡曲のヒット曲。
なかにし 礼作詩 川口 真作曲による弘田三枝子のヒット曲。この曲は、1969年日本レコード大賞の歌唱賞を受賞している。日本語歌詞は英訳し、スロー・バラードにアレンジ。石野さんは、最後の「私はあなたに命を あずけた」というさわりを原詩で唄っている。

 7曲目 「君の友達 You've Got A Friend」 言わずとしれたキャロル・キングの大名曲(オリジナルは「タビストリー」所収)。石野さんは多くの友人への感謝を込めて歌っているようだ。大石さんはこの曲をファンクにアレンジしてピアノ伴奏している。

 8曲目「.Teach Me Tonight」は、(今宵教えて)」は、ジャズ・スタンダード。ブロッサム・ディアリーが名盤「ワンス・アポン・ナ・サマータイム」で歌っている。

 9曲目 「LOVE」は ジョン・レノンがビートルズから独立後、1970年に始めて出したソロ・アルバム「「ジョンの魂」(白いシンプルなジャッケットだったので通称「ホワイト・アルバム」と記憶する)所収の名曲。

 そういえば、タワーレコードの店内では、ノラ・ジョーンズの新作を流していた。相変わらずカントリーっぽい曲。どこかいいのかわからない。とりあえずジャズの棚に置かないで欲しい。

 タワー・レコードもこんなのかけるより、「current」をかけなさい。
こんなに心に染みるボーカル作品はない。

粋な別れ  石原裕次郎

作詞者名 浜口庫之助
作曲者名 浜口庫之助

命に終わりがある
恋にも終わりがくる
秋には枯葉が 小枝と別れ
夕べには太陽が 空と別れる
誰も涙なんか 流しはしない
泣かないで 泣かないで
粋な別れを しようぜ

命に終わりがある
恋にも終わりがくる
はかない命は 切なく燃えて
どこか消えてゆく 煙草の煙り
恋の行方なんか わかりはしない
追わないで 追わないで
粋な別れを しようぜ

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年1月31日 (水)

最近のボーカル.新譜を試聴

 今日はなんだか、仕事上はカリカリしてしまった日。
少し残業して退勤後、「カサ・デ・マロン」で夕食。
スタッフのマロニータさんに、店主マロン姫の写真掲載許可をいただく。

最近の新譜を寸評したみた

♪マデリン・ペルー/ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法

 前作『ケアレス・ラヴ』が全世界で100万枚以上の大ヒットを記録した、アメリカの女性歌手の三作目。
「ビリー・ホリディの再来」というキャッチ・コピーがついている。なるほど、声質は確かにビリーに似ている。緩いテンポで淡々と歌い進む。カントリーの曲が多いのは、やはり、どうしても、ノラ・ジョーンズを思い起こしてしまう。
 ビリーの作品にも、こういう構成の曲はたくさんあった。しかし、ビリーにあって、マデリン・ペルーにはないもの。それは、スウィング感とブルースだ。

 これは、ジャズ作品なのか。マデリン・ペルーはジャズ・ボーカリストなのか。
 どうしても、こういう疑問符が浮かんでしまう。
ボーカル作品としても、あまり聴きどころが感じられない。 しかし、実際に、マーケットでは売れているという。SERGIOにとっては、理解できない現象だ。

♪ロバ-タ・ガンバリーニ&ハンク・ジョーンズ/ラッシュ・ライフ

 昨年デビューした超大型新人女性ボーカリストの第2作。デビュー作「イージー・トウ・ラブ」は2006年度のグラミー賞ボーカル部門にもノミネートされており、おそらく受賞するだろう。
 
 かっての三大ボーカル女王「エラ・サラ・カーメン」の再来というキャッチ・コピーにもなるほどと思わせる本格的なジャズ・ボーカルを聴かせる。ただし、黒人ではなくイタリア出身の白人だ。

 本作は名手ハンクのピアノ伴奏を主にスタンダードを歌っている。シンプルな構成で、これだけ聴かせることができるのは凄い。スキャットも実にうまい。これから、しばらく、ボーカル界はロバ-タ・ガンバリーニがポール・ウィナーを独占しそうな予感がする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月20日 (土)

新譜 聴ききれない

ここ数日で聴いた作品。

♪ザ・グレイト・ジャズ・トリオ/星影のステラ
 今年米寿(88歳)のハンク・ジョーンズ(p)がジョン・パティトウツチ(b)、オマー・ハキム(ds)の最強のリズム陣を得て、さらに4曲で渡辺貞夫をゲストに迎えた作品。

 やっぱり、ハンクや渡辺さんといった創業者(ジャズの)を超えることは難しいことを実感させられる作品。渡辺さんのアルトはここに至って、ますます心に響くメロディと音色を繰り出すようになっている。SERGIO評価は、四つ星半です。

♪ホッド・オブライエン/センチになって

 2006年11月2日発売。ホッド・オブライエン(p)のピアノ・トリオ作品。派手さはないけど、ウィントン・ケリー(p)のような真っ当なジャズ・ピアノを聴かせます。
 洒落たソロ演奏は必聴。知名度はないけど、実力派とはこういう人をいうのだ。SERGIO評価は、四つ星と1/4星です。

♪ナイジェル・ケネディ/ブルーノート・セッションズ
 クラシックのバイオリニスト,ナイジェル・ケネディがは,ジョー・ロバーノ,ハリー・アレン(ts),ケニー・ワーナー(p),ラッキー・ピーターソン(org),ロン・カーター(b),ジャック・デジョネット(ds)といったジャズ界のトップスターと共演した作品。

 思わず笑ってしまうほど、ファンキーで楽しい。この人、ホントにクラシック奏者なのっていう感じ。はっきり言って、このヴァイオリン、エレキギターみたい(賛辞です!)。寺井尚子さんや、レジナ・カーターなどのジャズ・ヴァイオリン奏者の演奏を連想すると外れます。
 
 しかし、これだけのスター軍団と共に演奏した作品。悪かろう筈がない。SERGIO評価は、四つ星半です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月16日 (火)

最近のピアノ・トリオ作品のラッシュときたら…

午前中、筑波大学関係者の訪問受ける。
午後から、仕事上の集まりで、あるテーマについて研修講師をつとめる。

帰宅後、ココログの更新を行おうとしたら、17日までメンテに入ったため作業できなかった。

本日、聴いたもの。
♪ブライアン・リンチ ラテンジャズ・セクステット
♪イヴァン・パドア・トリオ
♪ロマンチック・ジャズ・トリオ
♪グレイト・ジャズ・トリオ ウィズ渡辺貞夫
♪ホッド・オブライエン・トリオ
どれも、四つ星以上の佳作ぞろい。

 しかし、最近、ピアノ・トリオ作品がやたら多い。日本人好みだというので、レコード会社が積極的に発売しているのだろう。

 でも、コンボ作品ももっと聴きたいなあ。
そんな人のためには、我が師匠モヒカーノ関の
この作品をお薦め!

モヒカーノ関八重奏団「SALTEMOS!」

Saltemos_jacket
http://homepage2.nifty.com/SERGIO/saltemos!index.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月15日 (月)

ロマンチック・ジャズ・トリオの新作

 ロマンチック・ジャズ・トリオの新作「ジャズ・モーツァルト」を聴きながら、HPの更新作業を行う。

 グループ名からすると、大甘なサウンドを想像するかもしれないが、これがなかなか雄大な演奏を聴かせる。三人のインタープレイも真剣勝負そのもの。

ホームページ CASA SERGIO アクセス記録45206

http://homepage2.nifty.com/SERGIO/takahito.htm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月 9日 (火)

Saya/トワイライトTwilight

 夜、特別養護老人ホームを訪問。夜勤の若いスタッフが元気に働いている姿に間近に接して、感心した。
 帰りに買い物をして帰宅したのは午後9時。遅い夕食の時に、ビールを飲んだものだから、たちどころにナルコレプシー状態。

■Saya/トワイライトTwilight
 サンフランシスコを拠点に活動する日本人女性ピアニストSayaの最新作「トワイライト」を聴く。

曲目
①. My Funny Valentine
② Lately
③ Flow
④Twilight
⑤ Isn't She Lovely
⑥ Day Dreamer
⑦. Fields Of Gold
⑧ Kiss Of Love
⑨ Driving
⑩Both Sides Now~青春の光と影~

Saya(pf)
Chris Miller(dr)
Nelson Braxton(b)
Leafage Jazz / PCCY-60005 / \3,000 tax in / 2006.9.20発売

--------------------------------------------------------------------------

 「マイ・ファニー・バレンタイン」などのジャズ・スタンダード、スティーヴィー・ワンダーの「レイトリー」、「イズント・シー・ラブリー」、‘Everything But The Girl’の「ドライビン」他、Sayaさんのオリジナル3曲を含む全10曲収録。

 Sayaさんの作品は、とにかく聴きやすい。リズム的にはクラブ音楽を取り入れているが、クラブ・ジャズ的なサウンドではなく、ちゃんとピアノ・トリオのジャズ作品となっている。それはSayaさんの歌心溢れるソロのフレーズ、黒くはないが爽やかなR&Bのテイスト、ポップなアレンジなどが、その要因であるだろう。売れ線を狙った商業主義的に作品という評価も当然あるだろうが、耳に心地よければ、特に問題はなし。 

 個人的には、クラブ・サウンドをバックにした①、スティーヴィーの名曲②、ポップス・スタンダードの⑩などが心地よい。

 最近のウォルター・ラング(p)の作品「」でもクラブ・サウンドを取り入れたリズムになっているが、Sayaさんの作品と比べると、いささかビートが重い。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)