石野見幸/Current
♪不屈のジャズ・ボーカリスト石野美幸さん
2月3日、モヒカーノ師匠の講義を終えた後、アキバのヨドバシ内のタワー・レコードに行く。
地元のISHIMARUソフト館ではなかった石野美幸さんの「current」を探したら、ありました。ただし、1枚だけ。タワー・レコードさん、ちゃんと補充しておいてね。
帰宅後、これを聴きながらブログを書いている。
石野見幸/Current
2006年12月25日発売
MPCD-3525
標準価格 2,500円
MICOPRO
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収録曲
1.I've Seen That Face Before(LIBERTANGO)
2.I'm a Fool to Want You
3.Goodby!Goodby!
4.粋な別れ
5.Coracao Vagabundo
6.Forgotten Doll(人形の家)
7.You've Got A Friend
8.Teach Me Tonight
9.LOVE
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パーソナル
大石学(p)、鷲見和広(b)、海野俊介(ds)、シーナきのはら(vil)
河田健(ts) tracs2、3
鈴木史昭(ts)tracs8
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石野美幸さんは末期ガンで余命1ケ月を宣告されながら、ジャズへの情熱を武器に病魔と闘い続けているジャズ・ボーカリスト。昨年12月には、壮絶な闘病生活の中でディナー・ショウを成功させた様子がTVで放映された。彼女のブログを読むと、1月19日付けのコメントを最後に、その後のコメントの記入はなく心配だ。再びステージで熱唱できるよう祈りたい。(と書いた後に、2月4日付けで彼女のコメントがブログに書き込まれた。本当に良かった)
本作は、そうした闘病の最中、吹き込まれたもの。サポート・メンバーは関西のジャズメンが中心だが、日本におけるブラジリアン・ジャズの名門「スピック&スパン」のメンバーであった大石学さんがピアノと編曲で参加している。
石野さんは、ジャズボーカルの大御所伊藤君子さんに師事したという。
歌謡曲の名曲。ジャズ・スタンダード、MPB、ポップスを織り込み、洒落たアレンジと歌唱で聴かせる。
決してベストな体調ではない中での吹き込みであったと思われるが、それを感じさせない気迫に満ちた歌唱である。命を削るようにして吹き込まれた全9曲。石野さんの覚悟とメッセージは聴く者の心を揺さぶらずにはおかないだろう。
選曲のセンスも光る。
ちなみに、①②⑤⑦はSERGIOも世界名曲50選の中に入れたい曲だ。
1曲目 タンゴの巨匠アストラ・ピアソラの名曲「リベルタンゴ」。SERGIOも大好きな曲。オリジナルはバンドネオンの演奏なので、器楽曲として演奏されることが多いこの曲。かっては、チェロのヨー・ヨー・マが演奏しCMでも使用された。最近では、寺井尚子さんがヴァイオリンで演奏している(「リベルタンゴ」)。ボーカルで唄うのは珍しい。
石野さんが力強く歌い上げた後、大石さんのテンションの効いたピアノ・ソロ、シーナきのはらさんのダナミックなヴァイオリン・ソロと続く。
2曲目 ビリー・ホリディやフランク・シナタラの名唱で知られる「I'm a Fool to Want You」。誰でも、愛しい人のことを狂おしく思い焦がれた日々がある。こうした心情を、石野さんはしみじみと歌い上げる。彼女の現在の境遇が心配なだけに胸に迫る。
3曲目 .Goodby!Goodby!
ジャズ・スタンダードをコケティッシュに歌う。
4曲目 浜口庫之助作詞作曲の「粋な別れ」。石原裕次郎のヒット曲。当然、日本語歌詞の曲。SERGIOは始めて聴いた曲だが、歌詞、メロディとも切々とした心情を表したいい曲だ。これを見つけてきた選曲のセンスは素晴らしい。石野さんは「生命に終わりがある 恋に終わりがくる」「泣かないで 泣かないで 粋な別れをしようぜ゛」と唄う。切な過ぎる。「粋な別れ」はしたくないなあ。
5曲目ブラジルのMPBのカリスマ カエターノ・ヴェローゾの「コラソン・ヴァガブンド(移り気な心)」。石野さんはMPBアーチストも好きなようだ。カエターノがワン・アンド・オンリーのスタイルで歌うこの曲。他のボーカリストにとっては、難曲であろうと思うが、彼女はシャンソンのように小粋に唄っている。鍵盤ハーモニカかアコーデオン(或いはシンセ音色)のソロが良い。
6曲目 「Forgotten Doll(人形の家)」も歌謡曲のヒット曲。
なかにし 礼作詩 川口 真作曲による弘田三枝子のヒット曲。この曲は、1969年日本レコード大賞の歌唱賞を受賞している。日本語歌詞は英訳し、スロー・バラードにアレンジ。石野さんは、最後の「私はあなたに命を あずけた」というさわりを原詩で唄っている。
7曲目 「君の友達 You've Got A Friend」 言わずとしれたキャロル・キングの大名曲(オリジナルは「タビストリー」所収)。石野さんは多くの友人への感謝を込めて歌っているようだ。大石さんはこの曲をファンクにアレンジしてピアノ伴奏している。
8曲目「.Teach Me Tonight」は、(今宵教えて)」は、ジャズ・スタンダード。ブロッサム・ディアリーが名盤「ワンス・アポン・ナ・サマータイム」で歌っている。
9曲目 「LOVE」は ジョン・レノンがビートルズから独立後、1970年に始めて出したソロ・アルバム「「ジョンの魂」(白いシンプルなジャッケットだったので通称「ホワイト・アルバム」と記憶する)所収の名曲。
そういえば、タワーレコードの店内では、ノラ・ジョーンズの新作を流していた。相変わらずカントリーっぽい曲。どこかいいのかわからない。とりあえずジャズの棚に置かないで欲しい。
タワー・レコードもこんなのかけるより、「current」をかけなさい。
こんなに心に染みるボーカル作品はない。
粋な別れ 石原裕次郎
作詞者名 浜口庫之助
作曲者名 浜口庫之助
命に終わりがある
恋にも終わりがくる
秋には枯葉が 小枝と別れ
夕べには太陽が 空と別れる
誰も涙なんか 流しはしない
泣かないで 泣かないで
粋な別れを しようぜ
命に終わりがある
恋にも終わりがくる
はかない命は 切なく燃えて
どこか消えてゆく 煙草の煙り
恋の行方なんか わかりはしない
追わないで 追わないで
粋な別れを しようぜ
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コメント
SERGIOさん こんにちは。
教えていただいたこちらのBLOGを拝見させていただきました。
少し前の記事にグラミー賞ジャズ部門のノミネートについて書かれていましたね。チック・コリアの名前がありました。だいぶ前に、彼がノバホールでコンサートを行ったときに、コネがあって演奏後に楽屋で彼と話することが出来ました。LA(彼の自宅がある)のライブハウスについて聞きましたが、演奏旅行でLAを離れていることが多く、最新の情報はよく知らないと言っていました。
では、また。
コスモス@常磐線土浦駅最寄り
投稿: コスモスこと小野 富重 | 2007年2月11日 (日) 09時38分
コスモスさん いつもお世話になります。
コスモスさんは英語が堪能だから、チックと直接会話できてうらやましい限りですね。コスモスさんの好きなチャック・マンジョーネの近況なども聞いたんですよね。
あの時のライブでは、その後、交通事故で亡くなったボブ・バーグ(ts)が印象に残っています。凄いシーツ・オブ・サウンズのブロウを繰り広げてる中、勢い余って楽器に付けていたマイクが落ちて、「ゴトン」というデカイ音。バーグはすかさず、ステージマイクに向かってソロを続けていました。この危機管理能力の高さに感服。
後で、チックのソロになった時、後ろでそのことだと思うけど、他のメンバーとげらげら大笑いしていました。彼はマイルス・バンドにもいたし、テナー界の巨匠になるようなプレイヤーでした。たいへん惜しまれます。
投稿: SERGIO | 2007年2月11日 (日) 17時08分